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粉体工学とのかかわり

研究所内部

この頃は「粉体に関わりを持つ科学者、技術者の討論と研鑽の場」である粉体工学会は、粉体工学研究会として発足していたものの、学会誌はまだ発行されていませんでした。また「粉体に関する鉱工業技術の開発及び普及を通じて粉体関連工業の発展を図り、わが国経済の健全な発展と国民生活の向上に寄与すること」を目的とした一般社団法人である粉体工業技術協会も、その前身である”粉体工業懇話会”が設立される10年以上前という状態でした。つまり日本では、まだ粉体工学の揺籃期でした。そのような時代であったため、当社では「粉体処理に関する工学の研究・調査とその工業化に資すること」を趣旨とし、粉体工学研究所を設立しました。亀井三郎 元京都大学工学部長を最高顧問に、中川有三 京都大学工学部教授らを顧問に招き、京都大学の松山卓蔵 助教授を副所長に(後、当社技術部長を経て関西大学工学部教授)就任していただくなど、人材面からもその志を見て取ることができます。この志は、やがて粉体の特性を定量的に表現することができるパウダテスタの開発に端を発する測定機の開発にもつながることになります。 

_左端がRumpf教授-中央が細川益男-その右がRose教授

また粉体工学に資するため、1961(昭和31)年には、粉体工学の世界的な権威であったH.E.Rose(ロンドン大学キングス・カレッジ)、H.Rumpf(カールスルーエ工科大学)が当社を見学された機に、粉体工学の講演討論会を実施しました。

粉砕誌

さらに「粉体について啓蒙し、日本の粉体工学の発展に貢献したい」という思いから、粉体技術に関する専門誌「粉砕」を創刊しました。ちなみに粉体工学会の論文誌である粉体工学研究会誌(現 粉体工学会誌)が1964(昭和39)年創刊、世界の粉体工学に関する論文誌であるPowder Technologyの創刊は1967年であることからお分かりになるように、先駆的な試みでした。

このような背景で創刊されましたので、国内の粉体関係の企業や大学、希望される公立図書館などに無料で配布させていただき、また近年ではデジタル化して利便性を高めるとともに国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォーム J-STAGEでも公開しております。なお本誌は第2号から、研究所から発行されることになりました。現在でも粉体技術談話会の運営委員で構成されるアドバイザリーボードの助言を得ながら、編集・発行が行われています。またこの談話会を中心として「粉体工学に関する講演討論会」として、毎年様々なテーマでの講演と討論を行っています。
さらに1991(平成3)年には細川益男や明彦の私財により、財団法人ホソカワ粉体工学振興財団を設立しました。、研究者やその卵である学生の研究助成を行っております。