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測定技術の詳細

粉体測定は粉体装置の設計や運用、品質管理にとって重要な単位操作です。当社は機器設計や運用に重要となる粒子群の特性(粉体特性)として知られているCarrの流動性指数や噴流性指数(安息角やタップ密度、かさ密度などから求める)や、製品に含まれてしまう粗粉の混入量、粉体層や錠剤あるいは粒子塗装膜などのぬれ性、帯電量分布などの電気特性、微粒子の形と大きさを測定する装置などを開発、販売しています。

粉体を取り扱う場合、その特性を定量的に表すことは不可欠です。
粉体特性には、例えば粒子径や、単位体積当たりの粉の充填量を表す かさ密度や、流れやすさを表す指標の一つである安息角(詳しくは下をご覧ください)など、様々なものが存在します。
なかでも粉体の取扱いやすさ、あるいは難しさを端的に表しているのが流動性や噴流性と呼ばれる性質です。
したがってこれらの粉体特性を測定することが必要になりますが、測定原理や方法が異なると、同じ特性を測定しているにもかかわらず、異なる測定値になってしまうことが知られています。
また、それらの値を相互に変換する一般的な方法は存在しません。さらに測定者に結果が依存する測定機器すら存在します。
このため、だれが使っても同じ値が精度よく得られ、かつ世界中で広く使われている測定機を使うと、同じデータに基づいた議論・設計・立案・検証が可能になります。
数値化の方法として有名な方法は、Carrにより提唱されました。この方法は経験に基づき、粉体特性を各種の指数で表すことを特長としています。現実の粉体の振る舞いをうまく表現できますが、Carrの論文では測定の詳細について規定化されていませんでした。
粉体特性評価装置「ホソカワ/ミクロン パウダテスタ」はCarrと直接連絡を取り合い、測定条件を決定して作られた世界初の、オリジナルの装置です。
これにより「パウダテスタ」は、世界中で広く使われるようになり、上記の要件を満たす装置と認めていただけるようになりました。

粉体特性の測定例

パウダテスタによる粉体特性の測定例(300サンプル)はこちらをクリック。
全測定値に加え、Carrの流動性指数、噴流性指数に加え、動的かさ密度とHausner比も併せて掲載しております。

測定サンプル例:JIS標準粉体、ポリマー、食品、鉱産物、金属、顔料、無機酸化物、その他多数。

パウダテスタで測定可能な項目の一覧


 

粉体特性 内容
安息角 粉を落下させたときに、堆積します。その山の稜線の角度です。
崩潰角 安息角測定後に、堆積した山に衝撃を与えて山が潰れた後の、山の稜線の角度です。
差角 安息角と崩潰角の差です。
凝集度 三段の篩(それぞれ目開きは異なります)の一番上に粉体を載せ、所定の振動強度で所定時間篩ったとき、振動によりダマになる粉があります。このダマの質量を所定の方法で計算して得られる値です。
ダマにならない比較的大きな粉などは、凝集度ではなく均一度を代わりに使用します。
均一度 粒子径分布の累積60%に当たる大きさと、10%に当たる大きさの比です。粒子径によってはこの値ではなく、凝集度を使用します。
スパチュラ角 粉体層中に置かれたスパチュラと呼ばれる金属の板を利用して測定します。粉体層を落下させた時、スパチュラに残る粉体が作る山の稜線の角度です。
ゆるめかさ密度 容器に粉体を落下させて、オーバーフローさせるまで充填し、擦り切ったあとの体積当たりの質量です。
固めかさ密度 粉体を充填した容器を所定の高さだけ、単位時間当たり所定回数分、所定時間だけタッピングしたときの擦り切ったあとの体積当たりの質量です。タッピングにより体積が減りますので、粉体を追加します。

以上の特性をCarrの提案した指数に換算し、それらの総和から流動性指数および噴流性指数を求めることができます。(パウダテスタでは自動計算されます)