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分級技術の詳細

分級とは、原料から粗い粉を取り除いて所定の粒子径以下の粉のみにする、あるいは粒子径分布を揃えて粉の流動性を上げるなど、粉体原料を粒子の大きさに従って分けることであり、粉体製品の特性を向上させる単位操作のことです。

分級された微粉と粗粉は、微粉が製品となる場合、粗粉が製品となる場合、あるいは両方が製品となる場合があります。これらの目的に応じて適切な分級機が選定され、一般にはふるい分けと風力分級に大別することができます。

当社では各種風力分級機を揃え、処理能力の大小、分級粒子径及び原料粉体の特性、特に凝集性の強い原料や摩耗性の強い原料など、様々な要求事項に対応することができます。

この原理を以下に記しますが、遠心力(粗い粒子を分級機構の外、つまり粉砕機内に戻そうとする力)と吸引力(微粉を分級機構の中心付近に引っ張る力、つまり粉砕機の外に出そうとする力)のバランスを利用します。このバランスには様々な条件が影響します。条件のうち、原料によって大きく異なるのは粒子の質量です(厳密には空気動力学径と呼ばれる、密度を1000kg/m3と換算した時の球相当径ですが、質量で考えることのほうが多いため、ここでは質量と記載します)。
一方、運転条件によって変更可能なものは回転速度と吸引速度になります。

なお遠心力と向心力(分級機から吸い出される力)が釣り合う大きさの粒子は、本来は分級機の中を回り続けるはずです。
しかし現実には気流の乱れなどによって、吸い込まれるか、弾き飛ばされます。その確率はおおよそ50%であることから、この大きさのことを理論分級径または分級点と呼びます。

操作要因

(1) ロータ回転速度と分級粒子径
ロータ回転速度は、風量と共に分級粒子径を決定する最も大きな要因です。一定の風量のもとでは、ロータ回転速度と分級粒子径は比例します。

(2)風量と分級粒子径
理論式によれば、分級粒子径は風量の1/2乗に比例します。
Dth = (C/N) (Q/ ρ )1/2
   Dth:分級径(μm) N:回転速度(rpm) 
   Q:風量(m3/min) ρ:真密度(kg/L) 
   C:ロータ形状、サイズなどにより決まる定数

(3) 二次エア
原料を機内に送り込む一次エアと、微粉回収効率を高めるための二次エアがあります。二次エアによって原料を分散させることができるので、超微粉や付着・凝集しやすい粉体でも微粉の回収率が高くなります。

さて粒子の質量について考えてみます。質量の小さなもの=小さな粒子ほど、遠心力が小さくなり分級機の中心方向に向かって吸い込まれて装置の外に出ていきやすくなります。
しかし、これはあくまでも粒子一個に対しての話です。小さな粒子が凝集すると、一個の粒子のようになってしまい、(見かけの)質量が大きくなります。つまり分級機によって粉砕部へ戻されるようになります。
この粒子の塊が再び粉砕(この場合は解砕ですが)されても機内で凝集すると、これが繰り返され、いつまでたっても製品が出てこない、という問題が生じます。
超微粉ではこの現象が非常に起こりやすくなります。したがって粉砕した粉を凝集させずに、すぐに分級部へ輸送するという工夫が必要になります。
粉砕部と分級部を隣接させれば、分級部への移動時間が少なくなりますので再凝集の確率は減りますが、粉砕部の激しい気流の乱れが分級性能に影響を与える為、製品の粒子径分布の幅が(特に粗粉側に向かって)広くなりやすいという問題があります。
この辺りのさじ加減も機械メーカの腕の見せ所となります。