
皆様には平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2025年度は、米国の通商政策による関税引き上げや、中東地域での紛争など地政学的なリスクの高まりにより経済の不確実性が強まりました。また、当社の関連市場においても、ドイツをはじめとする欧州の製造業不況などの影響から、大型案件を中心に顧客の投資判断は慎重となり、受注環境は大変厳しいものとなりました。
こうした事業環境のもと、2025年度の業績を振り返りますと、前期の過去最高益から一転して、受注高は744億6千万円(前期比4.2%の減少)、売上高は779億9千4百万円(前期比8.7%の減少)、受注残高は442億6百万円(前期比1.2%の減少)となりました。利益面におきましても、減収の影響が大きく、営業利益は70億5千1百万円(前期比14.8%の減少)、経常利益は77億1千5百万円(前期比16.5%の減少)と反動減となりました。減収減益という結果となりましたが、経費削減なども含めて、収益性改善への取り組みを継続しております。
2025年度からは、第18次中期3カ年経営計画がスタートしています。その基本方針である「Unique & Dominant ~ホソカワの独自性で市場での存在感を高める~」は、今後10年にわたって当社の経営指針の根本をなす長期的なビジョンでもあります。
この「Unique」と「Dominant」という2つの経営指標に基づき、目の前にある経営課題を解決する際には常にどちらの軸へ向かうアクションなのかを見極めつつ、各セクションが具体的に「次はどのように進んでいけばよいか」を考えられるようにします。
「Unique」では独自性による利益率向上を目指します。お客様の課題解決に資する製品開発とともに、メンテナンスサービスの強化も図ります。「Dominant」ではエンジニアリングの強化により提案の幅を拡大し、当社製品を軸とした大型案件を獲得していきます。
さらに、グループ各社のROEと営業利益率をマッピングすることで、各社の現状と目標を可視化します。このマップ上には、それぞれの会社が持つエンジニアリング力、製品の独創性、サービスネットワークの強さが如実に表れてきます。各ユニットや地域ごとに、「今年はこの方向を目指す」「年内にこの領域に到達する」といった具体的な目標設定を可能にします。これにより、グループ全体で一丸となって長期的な成長を実現する体制を整えていきます。
ホソカワミクロングループの持続的な成長と価値創造に向けて、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長 細川 晃平