弱熱性原料をジェットミルに迫る粒子径にまで超微粉砕しながらも、消費エネルギーをジェットミルよりも低く抑えた高冷却型機械式微粉砕機である。
従来、トナーの粉砕は、粉砕熱による融着を防ぐことができるジェットミルが主流であったが、消費エネルギーの大きさや製品回収率の低さから、機械式粉砕機が見直され始めた。このようなユーザーニーズに対応すべく、2011年に高冷却型機械式微粉砕機の開発に成功した。既に大型機も納入されており、生産スケールでも、高い性能が確認されている。また、超微粉砕可能でありながら高い冷却効率を併せ持つユニークな特徴から、トナー以外にも茶葉や樹脂などのような多くの弱熱性原料の微粉砕に適する。
粉砕部のロータとライナは、効率良く冷却できるように設計されている。
冷却された搬送エアーで運ばれた原料は、冷水などで冷却された高速回転する多段式粉砕ロータ外輪のギア状の刃(溝型)とジャケットにより冷却された溝状ライナとの間の微小な間隙で大きな衝撃力とせん断力を受けて粉砕される。粉砕された原料は、投入口と反対側に設けられた出口から排出され、ブロワに接続されたサイクロンや集塵機によって回収される。
このようなユニークな粉砕部を持つことによって、機械式粉砕機でありながらジェットミルに迫る粒子径の製品を得ることに成功した。
また、粉砕ロータを多段にして表面積を大きくするとともに冷却部の最適構造を研究し、同様の装置よりも冷却効率を高めることにも成功した。
Fig. トナー
Fig. 1 構造
Fig. 2 粉砕ロータ
高い冷却効果により、弱熱性樹脂などの粉砕に適する。トナーではジェットミルと同程度の平均粒子径(約5μm)を得ることができる。
ジェットミルと比較して、システム全体の消費エネルギーを50%削減できる。
外側のライナと同様に粉砕ロータに冷媒を流すことによって、高い冷却効率(従来の衝撃式粉砕機に比べて7.5倍)を実現した。従来機では粉砕できない低融点・弱熱性の原料の微粉砕が可能である
粉砕動力当たりの処理風量が低いため、付帯設備のブロワや集塵機の小型化が可能となり、省スペースで設置できる。
小型・中型・大型(GC-250, 430, 600)の試験機を備えており、実機レベルでの粉砕品性状やスケールアップの確認が可能である。
Fig. 3 グラシス GC-600
Fig. 4 グラシスとジェットミルによるトナーの粉砕
特に弱熱性原料であるトナー、粉体塗料や熱で香りが失われる茶葉等の粉砕に適する。(Table 1参照)
Fig. 5 グラシスによる粉砕フロー
Table 1 用途例
Table 2 仕様
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