PLGAナノ粒子 技術詳細

PLGAはガラス転移温度が45℃程度と低く、また水分の吸収によって分解する性質をもっているため化粧品としての応用・保存が難しい物質でした。
当社では、以下のような粒子の構造制御を行うことで、有効成分の送達媒体(キャリア)として相応しい粒子としました。

  • ・皮膚への浸透が可能な粒子サイズ(平均粒子径200nm)
  • ・ナノ粒子内に有効成分が均一に分布
  • ・ナノ粒子を凝集構造にして30~200μmの粒子に複合化
    (空気中への飛散、急激な吸湿を予防)

この粒子は使用直前に化粧品や美容液に分散させて使用します。
液中に分散させることによって、ナノ粒子同士をつなげていたマトリックス(賦形剤・表面改質剤など)が瞬時に溶解します。再びナノサイズとなった粒子は本来の機能を発揮します。
図1に水中への再分散時の粒子径分布を示します。

<PLGAの安全性について>

PLGA基材は医薬品GLP適合調査を行っています。

  • 1.単回投与毒性試験
  • 2.皮膚一次刺激性試験
  • 3.連続皮膚刺激性試験
  • 4.感作性試験
  • 5.光毒性試験
  • 6.眼刺激性試験
  • 7.変異原性試験
  • 8.ヒトパッチ試験
ナノ粒子サイズのグラフ ナノ粒子サイズのグラフ

以上に全て陰性であり皮膚内では加水分解され乳酸とグリコール酸を経て最終的には水と炭酸ガスになって排泄されるため体内蓄積もなく、非常に安全性に優れています。

特性

PLGAナノ粒子は角層を透過し経皮吸収性に優れています。図2は蛍光物質クマリン水分散液とクマリンを封入したPLGAナノ粒子の水分散液との浸透性の比較で、前者は濃度を大きくしても塗布当初よりほとんど浸透しませんが、後者ではクマリンが多く浸透し4時間経過後も滞留していました。

ヒト皮膚摘出片(35歳女性、脇下部/6個の小片に分割)
註)角層(皮膚表面から~0.01mm)
  表皮(同~0.1mm)
  真皮(同~1.7mm)

(a)
クマリン6(conc 10wt%)の水分散液
(界面活性剤:Pluronic F68 0.5wt%)
塗布量:0.3ml
(b)
クマリン6封入PLGAナノ粒子の水分散液
PLGAナノ粒子の濃度は0.2wt%
クマリン6のPLGA内の封入率は0.05wt%
クマリン6の水中濃度は0.0001wt%
(10万分の1 対 (a))
塗布量:0.3ml

(写真&評価:県立広島大学・生命環境学部/三羽研究室)