製品

肥料

概要

肥料の製造工程に用いられるホソカワの装置を紹介します。

東南アジア、インド、アフリカをはじめとする世界的な人口増加により、農作物育成に欠かせない化学肥料の需要が増加しています。作物の作付面積当たりの収穫量を増やすために、各作物に応じた成分が配合された化成肥料や原料の混合により成分を調整できるBB(バルク・ブレンディング)肥料などが多く使用され、世界的な需要も増加しつつあります。一般的に散布時の粉塵発生を防ぎ、取扱の容易な顆粒状製品が多く用いられています。

内容

コンパクタ

BB肥料は、植物の生育に欠かせない窒素、リン酸塩、カリウムなどを含む顆粒状の原料を目的に応じて配合して製造されます。

混合時の偏析を防ぐため、各顆粒原料の大きさをそろえる必要がありますが、容易に取扱いができ、発塵の少ない2〜4mm程度の大きさが良いとされています。また、必要成分が全て混合された化成肥料も同様に2〜4mm程度に調整されます。これら顆粒状肥料は、散布が容易で使用時の発塵も少なく、保管時の固着も少ないために需要が増加しています。

従来、顆粒状肥料は、回転ドラムを用いた転動造粒で製造されていましたが、液体バインダを用いた造粒工程のため、乾燥工程が必要となり、生産量に比例して製造原価が上がる難点がありました。

当社では、乾燥工程が不要な乾式造粒方式を開発し、液体バインダを用いずに顆粒状製品を製造することで原価低減と製品品質の向上を実現しました。

コンパクタ イメージ図

乾式造粒方式では、従来の転動造粒に代わって乾式圧縮造粒方式を採用することで、強力な圧縮力によりバインダーを用いずに粉体を板状に成形します。その後、粉砕機で顆粒状に粉砕し、ふるいを用いて粒子径をそろえ、ローラドラムで顆粒角を処理し、固着防止剤などをスプレー散布して製品とします。

従来製品と比較して顆粒の耐久性が向上する上、角の少ない顆粒形状となって分散性も向上し、粉塵の発生が少ない製品となりました。

乾式造粒方式の工程は大きく3つに分かれます。

第1工程は圧縮造粒前の前処理工程であり、原料を造粒に適した粒子経まで粉砕します。化成肥料の場合、この段階で各原料を自動制御により0.5%以下の誤差で供給し、混合機で均一化します。
第2工程ではコンパクタを用いて原料粉を板状に圧縮形成し、その後、微粉発生が少なく角の少ない製品となるよう特殊粉砕機で処理します。篩い処理後、規格を超える製品については、再度粉砕機に送られ、規格に満たない微粉は原料として前工程に戻されます。
第3工程では回転ドラムによる表面処理で製品表面を滑らかにし、必要に応じてワックスや添加剤などを吹付け最終製品とします。
この工程で製造された製品は、従来品と比較して流動性が良く、粉塵発生が少ないため、肥料散布の効率が向上します。

表面処理用回転ドラム

納入例

コンパクタ フロー

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