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二次電池正極用 コバルト系・マンガン系前駆体材料

概要

二次電池正極用のコバルト系・マンガン系前駆体材料の製造工程に用いられるホソカワの装置を紹介します。

リチウムイオン二次電池は、正極と負極の間でリチウムイオンが移動することで充電と放電が行われます。このリチウムイオンを出し入れする物質が活物質と呼ばれます。
正極活物質の製造工程は、さまざまな原料(前駆体と呼ばれます)から活物質を化学反応によって合成する工程と、合成された活物質を調整して集電体に塗工するまでの工程の二段階に分かれます。

焼成炉で合成反応を起こす前の前駆体製造工程における乾式微粉砕と精密混合、乾燥技術を紹介します。

内容

活物質は、多くは固相法を用いて製造されます。固相法では、複数の固体状の原料を混合して焼成しますが、未反応物を低減して焼成温度を抑えるための原料微粒子化技術や、合成反応における効率化と未反応物の低減を実現するための原料精密混合技術など、粉体技術が必要となります。

原料の微粒子化

流動層式カウンタジェットミルAFG 400AFG

固体状原料の混合は、原料を粒子状にして用いますが、粒子径が大きいと焼成時の加熱時間が長くなります。また、反応には異種の材料が接触している必要がありますが、粒子が大きいと粒子内部に未反応部分が残る可能性が高くなります。さらに各原料は真密度が異なるため偏斥する傾向がありますが、大きな粒子ではその傾向が顕著で、粒子間の接触点が少なく、つまり接触面積が小さくなるため、反応性が悪くなります。

これらの問題解決には、微粉砕機による原料の微粒子化が行われますが、金属コンタミをゼロに近づける工夫が必要とされ、セラミックス仕様の衝撃式粉砕機ACMパルベライザや流動層式ジェットミルAFGが用いられます。最近では、より微細で狭い粒子径分布を達成する分級機内蔵ターゲット型ジェットミルも用いられます。

三元系原料のACM-HC による粉砕

前駆体粉砕例

固相反応のための精密混合

サイクロミックス CLX-50

焼成による合成反応を促進するには、異種の前駆体材料が互いに接触している必要があります。しかし前述の微粒子化で付着性・凝集性が強くなり、同種の化学種同士が凝集して異種の粒子を接触させることが困難になっているため、強いせん断力を粉体に作用させ、凝集に打ち勝つエネルギーを粉体に与えられる混合機が必要となります。

そのため、強い衝撃力とせん断力を粉体に与える精密混合機サイクロミックスや圧縮せん断力を粉体に与える粒子設計装置ノビルタが用いられます。

前駆体処理プロセスフロー

乾燥

ゼルビス XB

コバルト系の一部の材料は湿式法で合成され、活物質にするために焼成されます。この焼成前には合成で使用した溶媒と粉体を分離し、洗浄した後、乾燥する必要があります。ただし、原料のスラリー粘度が高く、乾燥品の付着凝集性も非常に強いため、一般的なフラッシュドライヤでは閉塞しやすく連続処理が困難です。

また、乾燥による再凝集を可能な限り防ぐ必要があるため、金属コンタミゼロを目指した媒体攪拌型乾燥機ゼルビスや攪拌混合型真空乾燥機が用いられます。

ゼルビス フロー

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