ナノリスク対策

ナノ粒子をはじめとするナノマテリアルの生体への影響、安全性については未だ調査段階ですが、予防的見地に立った暴露防止の対応が必要であると考えられています。このため、経済産業省、環境省、厚生労働省からナノマテリアルの取り扱いに関する注意事項等が報告されています。
ホソカワミクロンではこれに対応すべく、下記の対策装置を製造、販売しております。
- 経済産業省(製造産業局 化学物質管理課 「ナノマテリアル製造事業者等における安全対策のあり方研究会」報告書、2009年3月31日)
労働環境における、ばく露防止対策、環境への排出防止対策について、国内外の事業者の先進的取組や国内外の政府の取組について情報の収集・把握を行い、特に国内関係省庁による対策に係る通知や指針等が示された場合にはそれらを踏まえた上で、リスク評価・管理に関する取組について、自らの製造や使用実態を踏まえて取り組むことが期待される、とされています。
- 環境省(ナノ材料環境影響基礎調査検討会 工業用ナノ材料に関する環境影響防止ガイドライン、2009年3月10日)
特に粉体の取り扱い工程については、排気部分に環境放出を防止できるフィルタを使用すること、厚生労働省が推奨する局所排気装置を適正な頻度で交換する等、取扱い上の管理を十分に行い使用すること、とされています。
- 厚生労働省(基発 第0331013号 ナノマテリアルの安全対策に関する検討会報告書、2009年3月31日)
ナノマテリアルを取り扱う労働者等(大学、研究機関を含む)に対し、粉体の取り扱い工程においては密閉化、あるいは局所排気装置(プッシュプル型排気装置、囲い式フード)を設置する、その排気口は直接外気に開放する、またHEPAないし同性能のフィルタを用いて排気をろ過する、などのような対処を施すように報告書が出されています。
対策装置の例
- ナノリスク対応セーフティブース
ナノ粒子をはじめとする微粒子の粉砕、回収、秤量、充填、混合時の発塵を抑制し、速やかに清浄空間を作り出すことで、健康被害を防止するための設備です。均一なダウンフローにより、塵埃を速やかに除去しますので、作業者が暴露しません。
- 移動式ラミナーブース
水平流型のラミナーブースです。セーフティブースよりは暴露レベルが高くなりますが(下記の表1をご覧下さい)、セーフティブースよりも安価であり、また比較的容易に増設可能ですので、ブースの大型化への対応が可能です
- パウダテスタ専用セーフティブース
上記ナノリスク対応セーフティブースをパウダテスタ専用に小型化したブースです。パウダテスタや、同程度のサイズの測定器へのナノ粒子の供給などに最適です。
- 卓上型排気ブース
移動式ラミナーブースを卓上作業用に小型化した装置です。他の設備と同様、HEPAフィルタを内蔵しています。
粉体を取り扱う実験機や小スケールの粉砕機などについては、密閉化が困難な場合が多く、局所排気装置を使うことが多いと考えています。
この場合、上記の指針に沿った様々な装置がありますが、その選定基準のひとつとして当社が提案するのが、医薬分野で用いられている許容暴露レベル(OEL)や浮遊粉塵の環境改善指数から浮遊粉塵量を推算して、ユーザが求めるレベルの装置を選んでいただく方法です。
OEL (Occupational Exposure Limit, or Level)は最大無毒性量(許容服用量、NOAEL mg/kg/day)と作業者の体重を乗じた数値を、8時間作業した場合の吸気量(10m3)に安全係数を乗じた数値で除したものです。
環境改善指数は、各種設備やマスク等の保護具により、どれだけ浮遊粉塵をカットできるかを示す値です。大きいほど、カットする能力が高くなります。粉塵が舞っているような環境(事務所衛生基準規則によると、オフィス内における10μm以下の粒子濃度は150μg/m3以下であるように定められています)では粒子濃度が極めて高く、例えば粉塵によってその先が見えにくいような状況の場合、10mg/m3(10,000μg/m3)程度と考えられます。これを基準に、どのような設備でどの程度粉塵濃度を抑制できるかを表したのが、次の二つの表です。
表1. エアーコントロール設備による粉塵濃度の低減
| 設備例 | 環境改善指数 | 一般空調での粉塵発生レベルが 10,000時の浮遊粉塵計算量(μg/m3) |
| 一般空調 | 1 | 10,000 |
| 局所廃棄設備 | 5 | 2,000 |
| 水平流ブース (移動式ラミナーブース) | 100 | 100 |
| ダウンフローブース (セーフティブース) | 500 | 20 |
| 安全キャビネット | 1,000 | 10 |
| アイソレータ | 106~109 | 10-2~10-5 |
表2. 保護具による粉塵濃度の低減
| 保護具例 | 環境改善指数 | 一般空調での粉塵発生レベルが 10,000時の浮遊粉塵計算量(μg/m3) |
| マスク | 10 | 1,000 |
| エアマスク | 1,000 | 10 |
| 加圧服 | 10,000 | 1 |
- ナノリスク対応セーフティブース
概要 ナノ粒子をはじめとする微粒子の粉砕、回収、秤量、充填、混合時の発塵を抑制し...